公明党横浜市会議員団

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平成28年第1回定例会において予算関連質疑を行ないました。(2月26日)

2月26日(金)の本会議では、斎藤真二議員が公明党横浜市会議員団を代表して、平成28年度横浜市各会計予算及び予算関係議案について、質問いたしました。

以上の18項目について、林市長、岡田教育長ならびに加賀交通局長に質問いたしました。

1.災害時における自助・共助の推進について

東日本大震災から間もなく5年を迎えます。改めて、発災時には行政の「公助」には限界があり、自らが事前に備える「自助」、地域で助け合う「共助」が重要であることがはっきりしました。
この5年間横浜市としても、「よこはま地震防災市民憲章」や「横浜市災害時における自助及び共助の推進に関する条例」の制定、減災パンフレット「わが家の地震対策」の全戸配布、防災フェアなどの各種イベントなど、市民の自助・共助の意識啓発を進めてきました。
また、わが党の提案がきっかけで平成26年度から開始された、防災・減災推進研修を、中期計画では4年間で1,600人の受講という目標を立てております。募集を大幅に上回る申し込みがあり、この2年で約900人の方が受講されました。。
地域の自助・共助の取組を推進していくためには、行政においても、地域の防災・減災活動を支援する人員・体制の整備が必要と考えます。

自助・共助の意識が地域の隅々まで根付き、防災・減災の具体的な行動に繋がることが重要です。
引き続き、横浜市としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。

2.がけ対策の推進について

がけ地の現地調査は、今年度から調査区を順次前倒しして、29年度の夏ごろには完了させることとしています。 この調査を、がけ地の改善も含めた所有者への働きかけに活用し、対策を推進していくことが望まれるところです。
働きかけを行っても、所有者が対策工事を検討する過程の中で、費用負担や民事のトラブルなどにより断念してしまうこともあると聞いていますが、この取組をより効果的なものにしていくためには、市が所有者をサポートすることが重要だと考えます。

本市の様々な支援策を有効に活用することで、所有者が行う対策工事が、より円滑に進むと考えます。
また、がけ地の知識を有する専門家などとの連携により、がけ地の改善を推進することも、検討を進めていただきたいと思います。

3.消防団の充実強化について

阪神・淡路大震災から21年が経過いたしました。この震災では、淡路島の消防団員の方々が、住民と協力し、倒壊家屋に閉じ込められた人たちを、懸命に救助し、自助・共助・公助といった「地域ぐるみの協力体制」の重要性が全国的に認識されました。
また、平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、死者・行方不明者が約2万人、その中で、活動中の多くの消防団員の方々が犠牲となるという、戦後最大の自然災害となりました。
その様な背景の中、地域防災の中核となる消防団の重要性が改めてクローズアップされ、平成25年12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が公布・施行されました。
この法律では消防団が地域防災力の中核と位置付けられ、消防団員の災害対応中の「安全管理」や「装備の充実」についての見直しが行われました。
28年度予算案では、消防団に係る予算が大幅に拡充されております 。

消防団が将来にわたり地域防災力の中核として役割を果たしていくために充実強化が必要不可欠です。必要な財源をしっかり確保し、一層の処遇改善や加入促進に取り組んでいただくことを期待します。

4.認知症施策について

2025年に向けて、住み慣れた地域で自分らしく暮らしを続けることができる、地域包括ケアシステムの構築が急務です。認知症の方も増加し、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると見込まれます。
ひとり暮らしや高齢世帯も増えていく中で、認知症に気づかず症状が進行し、急な徘徊などの行動の対応に苦慮することも少なくありません。認知症になっても尊厳を持って、安全・安心に生活できるための認知症施策の充実が望まれます。

引き続き、認知症施策を充実することを要望します。

5.高齢者等移動支援バスモデルについて

横浜市では地域交通サポート事業により、地域のニーズや需要に見合った新たなバス路線等の導入を進めていますが、収支採算が取れないこと等で実現できないこともあるかと思います。
そこで、「高齢者等移動支援バスモデル事業」は、地域交通サポート事業を補完する新たな取り組みとして大変よい試みだと思います。
この事業は、緑区山下地区安全・安心まちづくり協議会、横浜環状北西線建設関連企業による地域貢献協議会及び横浜市がそれぞれ役割を担って進めていくものと思います。

今後、都筑区南部エリアでもこのモデル事業を予定していると聞いています。
横浜市内では、同じような課題を持つ地域もありますので、是非、このモデル事業をよく検証していただき、地域のニーズに合わせたきめ細かなバスモデルとなるよう期待します。

6.いわゆる「ごみ屋敷」の問題について

昨年12月の定例会において、市長から、ごみ屋敷対策のための条例案について「28年第3回定例会への提出、そして28年中の施行を目指す」との答弁をいただきました。
本定例会においても、常任委員会において条例案の考え方について報告があったところです。  一方で、この問題の影響の大きさや、市民の皆様の関心の高さを考えると、条例案の提出や施行を待たずに、できることは速やかに行っていく必要があると考えます。

私は、家の中にだけごみが溜まっており「ごみ屋敷」の定義に当たらないが、周辺住民が不安を感じるようなケースへの対応も必要だと考えておりますので、そういった事案への取組の必要性を指摘します。

7.保育の質の向上について

先日の予算代表質疑において、わが党の高橋団長より待機児童対策について質問させていただきました。
同時に、「保育の質」の確保が課題となっています。その背景には、保育士が置かれた厳しい労働環境や低い待遇などの問題があります。先日放送されたテレビ番組でも、そのことが紹介されていました。
子ども・子育て支援新制度において、保育士の処遇改善の仕組みが国の公定価格に導入されましたが、まだまだ足りない状況であると考えています。

保育士自身が意欲とやりがいを感じながら働き続けていけるよう、保育所等へのより一層の支援を要望します。

8.児童虐待防止対策事業について

昨年10月に厚生労働省がまとめた、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果に関する第11次報告」によりますと、25年度に死亡した子どもの年齢は、0歳が最も多く、3歳未満の子どもが約7割を占めています。
この中でも特に、出産した直後から1か月以内の死亡事例では、「望まない妊娠」や「若年妊娠」、「妊婦健診未受診」などが課題として指摘されています。  虐待対策として、子どもが生まれる前の、妊娠期からの支援が予防策として重要であると考えています。

子どもへの虐待をなくすためには、社会全体で取組むことが重要であるとも考えます。今後も全力で取り組んでいただけるよう期待します。

9.困難を抱える子ども・若者への支援について

学齢期の子どもであれば学校でその子どもの状態を把握し、支援につなげることもできますが、高校中退や就職後にひきこもってしまった若者は、問題が顕在化せず、孤立してしまう可能性が高い状況です。
本市では、「青少年相談センター」、「若者サポートステーション」、「地域ユースプラザ」を設置して相談支援を行っていますが、支援につながっていない若者も多数存在しています。
ひきこもりの状態が長期化すると事態が深刻になるため、早期に支援を受けることが必要と考えます。

横浜市は困難を抱える若者の支援において、全国的にも先進的な取組をしてきている部分もあるものと評価しています。ただし、まだまだ支援につながっていない若者がいますので、孤立せず、課題を乗り越えていけるよう支援の充実に取り組んでいただくようお願いいたします。

10.子どもたちの安全・安心について

本市では、これまでに学校施設の耐震化や屋内運動場等の吊り天井の落下防止対策など、学校施設の安全対策の取り組みを推進してきました。 28年度予算案では、学校施設営繕費は、当初予算で約135億円、27年度2月補正予算を含む15か月予算では約165億円となっています。
市立学校防火防煙シャッター危害防止装置設置事業では、今回の事故を受けて計画を最大限前倒しし、29年度までに危害防止装置設置を完了するよう見直しを行い、28年度は、シャッター交換を含め3,200台のシャッターを改修すると聞いております。また、シャッター以外の工事も数多く予定されていると思いますので、学校運営への影響が懸念されます。

必要な対策を早急に実施し、学校施設における安全性の確保に努めていただきたいと思います。
子育ての安心という点では、我が党は、平成4年に横浜市会で初めて小児医療費の自己負担の無料化を主張して以来、助成制度の拡充を求め続けてきております。28年度の予算案では、29年4月からの対象年齢の拡大を検討することが挙げられております。中学3年までを対象として、所得制限の撤廃を目指すべきと考えますが、まずは、小学6年まで拡大するという目標を持って検討をしていただくこと、一部自己負担金導入については、慎重に検討を進めることを要望しておきます。

11.中学校昼食について

わが党では、長年にわたり横浜型のスクールランチの実施を求めてきました。いよいよ、28年度中には、横浜型配達弁当「ハマ弁」が全ての中学校で開始される運びとなり、大いに期待をしているところです。先日の予算代表質疑においても、わが党の高橋団長の質問に対し、市長から「ハマ弁」実施に向けた力強い決意をいただきました。

是非とも、必要とする生徒にきちんと支援の手が届くような暖かい仕組みとなるよう願ってやみません。
これからも中学校昼食の充実に取り組んでいただくことを強く要望します。

12.グローバル人材の育成について

横浜の子どもたちが、新たなことにチャレンジする姿勢、自ら課題を解決する能力や、多様な価値観を理解し、円滑にコミュニケーションを図る能力などが身に付く教育を行うことが必要だと考えています。
そのためには、指導する教員自身が学び、グローバルな感覚を身に付ける機会を設けることが重要だと考えます。28年度においては、「教員の海外研修派遣」を拡充すると聞いています。

グローバル化に対応した教育を充実させ、国際社会で活躍できる人材の育成に積極的に取り組んでいただくことを要望します。

13.ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた海外誘客及び文化芸術による国内外への発信・賑わいづくりについて

日本政府観光局の発表によれば、2015年の訪日外客数は過去最高の1,974万人となり、45 年ぶりに訪日外客数と出国日本人数が逆転しました。横浜市についても、2014年の横浜の観光集客実人員は3,452万人、観光消費額は2,771億円と、過去最高を記録し、外国人宿泊者数も50万人を超えています。
2019年には、ラグビーワールドカップの決勝戦が横浜で開催され、翌年の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるとともに、横浜市は、英国オリンピック代表チームの事前キャンプ地にもなっています。  この絶好の機会に、さらなる横浜への訪問につなげていかなければなりません。

ラグビーワールドカップ2019や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、横浜にとって大きなチャンスであり、文化芸術を通じた横浜のプレゼンス向上を高める上でも大変重要ですので、しっかりと取り組んでいただくことを期待します。

14.客船寄港数増加に向けた取組について

近年、我が国へのクルーズ客船の寄港が大変な注目を集めています。
特に、博多港や長崎港をはじめ、九州・沖縄地方の各港の伸びが顕著ですが、横浜港としても、客船誘致の取組を推進していく必要があると考えます。
横浜港においても、大さん橋国際客船ターミナルに加え、新たに新港ふ頭と大黒ふ頭において施設整備を進めていく予定であり、将来的には、3つの施設で客船を受入れていくことになります。

横浜港が、日本だけではなく世界を代表するクルーズ港として発展していくため、必要な取組を精力的に進めていただきますようお願いします。

15.市営交通による観光バス事業の再編強化について

観光MICE施策を展開してく中で、観光の足を支える交通局の役割は大変大きなものと考えます。
一方、交通局では、経営の健全化に向けて、これまで様々な経営改革を続けてきており、その結果として、5年連続でバス・地下鉄両事業そろって黒字を達成するなど、やっと安定的な経営が定着しつつある段階であると考えます。
観光バス事業の再編案のうち、事業の主力である「あかいくつ」は、観光スポットを周遊できる利便性とともに、100円の料金設定とレトロ調の特徴ある外観で人気を博しています。政策的な100円の料金設定は、まさに横浜なりのおもてなしだったのではないでしょうか。100円だからこそ観光の足として定着し、回遊による観光関係産業への波及効果にもつながってきたのではないでしょうか。
今回、料金を220円に改定することは、利用減にもつながりかねず、横浜に人を呼び込み、回遊してもらうという観光施策に合致しているのか、あるいは支障となるのではないか、という声も出るのではと危惧しているところです。

2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、国内外からの観光客をいかに横浜に呼び込み、楽しんでもらうかは、横浜の成長戦略に大きく影響します。交通局も含め、オール横浜でいっそうの魅力づくりに取り組んでいただけるよう要望しておきます。

16.これからの交通安全対策について

死亡事故の発生状況は、65歳以上の高齢者がその多くを占め、また、特に自宅近くでの歩行中の事故が多いことからも、身近な生活道路等での交通安全の確保が必要だと考えますが、道路幅員も狭く、改良工事等のハード整備が困難な場所が多い中、ソフト対策を含めて、現地の実態を踏まえた効果的な取組を進めることが重要と考えます。

28年度は、市の交通安全に関する施策の大綱である「第10次横浜市交通安全計画」が策定され、また現在パブリックコメント中である「自転車総合計画」についても確定する年となります。これらの計画に掲げる施策を着実に実施し、あらゆる世代が安全で安心して暮らせる社会を構築していただくようお願いします。

17.鶴見川中下流域の適正な橋梁間隔検討について

鶴見川の下流には川崎市水道局が所有する水管橋があり、上部の点検用通路が一般市民に開放され、1日約700人が通行していました。
しかし、28年1月7日に閉鎖され、現在、撤去工事が行われています。
末吉橋と新鶴見橋の間は約1.5kmと長く、長年水管橋を利用してきた地域の方々は不便に感じているものと思われます。
我が党としましても、昨年1月に人道橋設置についての要望書を提出しました。市では、今年度、鶴見川中下流域において橋梁新設の必要性を検討し、交通・まちづくり・防災の観点で評価したと聞いています。

防災機能や住民の利便性向上のため、橋梁の新設について早期に進めるよう要望します。

18.特別自治市の早期実現について

先日の本会議で、林市長は、「市と県の二重行政を解消し、横浜を、必要な財源と権限を併せ持つ真の大都市とするために、「特別自治市」の早期実現に全力で取り組んでいく」ことを、表明されました。
しかし、特別自治市を実現させる法整備の目途は、立っていないことから、法制化への道筋をつけるための取組を進めながら、同時に、現行制度の下でも、二重行政解消に向けて、県からの権限と財源の移譲を進めることが、特別自治市実現の近道になると考えます。
今年4月には、地方自治法の改正により、県との二重行政解消を目的とした「指定都市都道府県調整会議」が、新たに設置されます。

特別自治市の実現は、ハードルが高いものではありますが、特別自治市が実現されれば、市民の皆様にとって、より効率的・効果的な行政サービスを行うことができ、さらには横浜の経済を活性化させるなど、市民生活に大きなメリットをもたらすことができますので、是非、機運を盛り上げ、実現への目途を何としてもつけていただくことを要望いたしまして、公明党市会議員団を代表しての私の質問を終わります。