公明党横浜市会議員団

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平成30年第3回定例会において一般質問を行ないました。(9月14日)

 9月14日(金)の本会議では、尾崎議員が公明党横浜市会議員団を代表して、市政課題18項目44問に関連して、林市長ならびに山隈水道局長、鯉渕教育長に質問をいたしました。

1.大規模災害時の自治体間の職員応援派遣について

今回の応援派遣は、総務省が今年度から運用開始した「被災市区町村応援職員確保システム」を中心に、実施されたと伺っています。
本市からも、愛媛県西予(せいよ)市に、7月9日から7月22日まで13日の間、危機管理室の課長が派遣され、首長の災害対応への助言や被害地域の避難所支援、国や県との調整、など、様々な課題解決に取り組まれたと聞いています。改めて、今日まで派遣された職員の皆様に、心から感謝を申し上げます。

大規模災害発生後の迅速な復旧・復興には、被災者の立場に立ったスピード感のある対応が求められますので、本市職員の有する専門的な知識・技術が、効率的かつ効果的に運用できる様、総務省や関係機関と緊密に連携して頂くことを要望します。

2.防災・減災対策について

7月豪雨で大きな被害が発生した岡山県倉敷市では、28年8月に洪水や土砂災害のハザードマップを作成し、全戸配布しましたが、多くの住民がその存在を知らなかったとの事です。
一方で、ハザードマップの浸水想定区域と、実際の浸水域とがほぼ一致しており、危険箇所の把握に有効であることも示されました。
私の地元を流れる鶴見川では、これまでの計画規模の降雨に加え、想定し得る最大規模の降雨により河川が氾濫した場合の洪水浸水想定区域が公表され、改訂版のハザードマップが配付されました。
こうした紙媒体に加えて、国(国土交通省)では、「まるごとまちごとハザードマップ」の事業の中で、河川が氾濫した際に想定される浸水の深さを、街角の電柱や街路灯に、視覚的にわかりやすく表示する「見える化」を促進していますが、全国的にも設置事例が少ないと聞いています。

市民の生命を守るための、多様な情報発信手段の充実に向けて、区局横断的な視点での、一歩進んだ取組の検討を要望します。

3.改正災害救助法について

大規模災害時に、本市が救助実施市として、災害救助法で定められた避難所の設置や応急仮設住宅の供与などの救助費用を支出した場合、その大半は最終的に国が負担することになると聞いていますが、改正災害救助法では、救助費用の財源に充てるため、都道府県と同様に災害救助基金を積み立てることとされています。

首都直下地震など、本市への甚大な被害が想定される大規模災害の発生が懸念されている中で、本市が市民の視点に立った自立的な救助が実施できるよう、スピード感を持った取り組みを要望します。

4.区庁舎整備の今後の予定について

市民の安全、安心の確保にかかわることとして、特に区役所の水害対策には力を入れる必要があると考えます。
区役所は、災害発生時には災害対策本部が置かれる防災の要となります。
私の地元の鶴見区役所も建築年数が30年ですが、電機室等が地下にあることや、一部の部署では事務スペースも狭く、適切な市民サービスの提供に影響があるのではないかと心配しています。
このような築年数が経過している古い区役所も、計画的に建て替えの検討を進めていく時期に来ていると思います。

財源確保といった課題もあると思いますが、例えば、東京都豊島区の新庁舎では、マンション建設と一体化することで新庁舎の建設費用を捻出し、庁舎の建替えを行ったという事例もありますので、他の施設との複合化や、民間施設との協働など、柔軟な発想で御検討頂くことを要望します。

5.今後の水道事業運営と水道技術の継承について

水道法の改正により、地方公共団体が、水道事業者等としての位置づけを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する運営権を民間事業者に設定できる、いわゆるコンセッション制度の仕組みが導入されることになりますが、私は、この制度については、あくまで自治体の規模なども踏まえたうえで、適するところが選択していくものと考えます。
また、水道局の職員定数も、この17年間で約900人減少し、さらに水道特有の技術を熟知している多くベテラン職員の退職も迎えます。
その一方で、若手・中堅職員は、局外への人事異動の可能性があるため、今後、水道局内での技術蓄積が難しいという話も聞いています。

歴史ある横浜水道を次世代に引き継いでいくための人材確保と技術継承をしっかりと行うことをお願いします。

6.予防接種について

妊娠中の女性、特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、おなかの中の子どもに感染し、白内障、心疾患、難聴などを特徴とする先天性風疹症候群という病気にかかる可能性があることから、平成26年度予算特別委員会の折にも、本市として風しん対策をしっかりと行うべきと申し上げ、平成27年度からは継続して対策が進められています。
さて、白血病をはじめとする小児がんを発症するお子さんは、治療のために、長い闘病生活を送っています。
そうした小児がんのお子さんの中には、骨髄移植や抗がん剤治療を行うことにより、過去に予防接種を受けて獲得した免疫を失ってしまう方がいます。
免疫を失った場合には、改めて、ワクチンを再接種する必要がありますが、現在、この再接種に係る費用は全額自己負担であり、ご家族にとっては、大きな負担となっています。
そのような中、指定都市である新潟市、浜松市、名古屋市、堺市、大阪市、京都市の6市では、この予防接種の再接種費用助成を行っています。

小児がんのお子さんをお持ちのご家族に対して、予防接種の費用を助成し、経済的支援をすることで、精神的にも安心していただけるものと考えますので、費用の助成を強く要望します。

7.発達障害児・者施策の支援体制について

わが党は、従来から発達障害のある人の自立に向けた施策の充実について主張しており、本年の第一回定例会の予算審議でも、発達障害児・者施策を取り上げ、相談支援の充実や継続的な支援体制整備が重要であることを訴えました。
学校現場では、個別支援学級に在籍する児童・生徒が増え続けてきており、さらに、一般学級においても、特別な支援を必要とする子どもたちが増えていると聞きます。
卒業後も就労し安心して地域で暮らせるよう、地域社会における充実した支援体制も必要と考えます。

最近では、大人になってから発達障害の診断を受けたケースのご相談もいただきます。
「発達障害」の定義は広く、社会の変化により抱える課題も多様化、複雑化するなか、時代に適応した施策の展開を図る必要があると思います。
昭和の時代から、障害児に対する早期発見・早期療育を掲げてきた横浜市として、発達障害児・者への一貫した支援を推進するための、総合的かつ具体的な支援計画の策定を要望します。

また大きな課題となっている医療体制の充実に向けては、横浜市立大学をはじめ関係機関と更なる連携強化をはかり、他都市にはない先駆的な取組を通して、多くの優秀な児童精神科医が活躍できるための魅力的な発信をお願いします。

8.特別な支援を必要とする児童生徒への支援について

近年、医療の発展や発達障害の増加などにより、学校現場において、特別な支援を必要とする子どもたちが増えており、そのニーズは複雑になっていくことが予想されます。
地元の保護者からは、様々な子どもたちが在籍する個別支援学級において、教員が行動面で不安定な子どもたちに付き添う時間が多くなることで、肢体不自由がある子どもへの支援が十分でないとの切実な声が届いています。
もちろん、現場の先生方の御苦労は充分に理解しているつもりですが、このような状況は、憲法第26条の規定で保障する「ひとしく教育を受ける権利」や、障害者差別解消法の趣旨にも反するおそれがあるのではないかと考えます。

障害のある子どもも、ない子どもも、ひとしく教育を受ける権利を保障するため、引き続き、教育委員会が一丸となって、早急に取り組んでいただくことを要望します。

9.ハマ弁について

平成28年7月に事業がスタートし、29年1月に全校実施となり、ようやく145校全体でハマ弁が選択できる環境が整いましたが、ハマ弁についての正しい情報がなかなか伝わらず、逆に誤解を招く報道等が先行し、実際のハマ弁利用者からは、肩身の狭い思いをしているとの声が届けられています。
そうした中で、教育委員会では喫食率の向上に向けて、この秋からメニューのリニューアルや当日注文の試行、一括注文の導入などを実施し、ハマ弁をより利用しやすくなるように、取組を進めているところです。

中学校の昼食については、ハマ弁を基本とする方針を早期に打ち出して、ハマ弁を利用することが当たり前となるような取り組みを進めていただくように要望します。

10.障害者雇用について

平成30年度から、障害者の法定雇用率が引き上げられ、民間企業は2%から2.2%となりました。また、行政は2.3%から2.5%となり、さらに、平成33年度までには、2.6%への引き上げが予定されています。
残念ながら、平成30年度の本市の雇用率は、2.41%にとどまり、法定雇用率を達成できなかったと伺っていますが、民間企業等に対し、範を示していかなければならない立場にある以上、結果は、しっかりと受け止めなければなりません。
次年度に向けては、様々な角度から分析し、さらに障害者の活躍の場を広げていっていただきたいと思います。

共生社会の実現を目指す横浜市として、引き続きしっかりと取り組んでいただくことを要望します。

11.性的少数者支援について

わが党では、国連人権理事会決議やオリンピック憲章に基づき、性の多様性を尊重し、性的マイノリティーへの理解促進と法整備の推進を掲げ、当事者や支援団体等からの相談にも応じています。
日本には約7.6%のLGBTと呼ばれる当事者の方々がおられると推計され、この割合は血液型がAB型の方や、左利きの方と同じ割合であり、決して少数ではありません。

欧米などでは、性的少数者の権利擁護についても先進的であり、同性婚なども法的に認められています。
日本では民間企業や大学において、具体的な取組が進んでいます。
現実社会の中で、差別や偏見、誤解に苦しむ方々にとっては重大な人権問題であり、性の多様な在り方を認める社会の構築は喫緊の課題と考えますので、改めてパートナーシップ認証制度の導入を強く要望します。

12.新たな劇場をつくる理念について

さて、本年6月に制定された「横浜市国際平和の推進に関する条例」では、「世界とともに成長する横浜」の実現を目指し、国際社会の平和と繁栄に貢献する取組を進めていくことが求められています。
平和な世界の実現を図るうえでは、国際的な文化交流を通し、市民と市民の相互理解を促すことが重要であり、芸術の力が果たす役割は大きいと考えています。

芸術分野に関わる世界中の方々に、「横浜には素晴らしい劇場がある。この劇場でなら演じてみたい」と思わせるような、優れたものにしていく必要があると思いますので、調査検討をしっかり進めていただくことを要望します。

13.東京2020大会に向けた機運醸成の取組について

東京2020オリンピック・パラリンピックを2年後に控え、市民の関心も広がっているように感じます。
私は、世界中の方々が注目するオリンピック・パラリンピックを、今後の横浜のまちづくりにどのように結び付けていくのかがポイントになると考えています。
横浜にはスポーツに限らず、レベルの高いマーチングバンドなど、様々なジャンルの団体があります。
これらの団体の多くは、地域のイベント等でも活躍してくれていますが、何らかの形でオリンピック・パラリンピックのイベントにも関わることができれば、大きな励みになるのではないかと思います。

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56年ぶりに日本で開催されるオリンピック・パラリンピックを通じて、人を育て、将来の横浜の発展につながるような、積極的な取組を要望します。

14.アフリカとの人材交流について

来年8月には、3回目となる第7回アフリカ開発会議が本市で開催されます。
会議を無事に開催することは当然ですが、横浜市として、会議を何につなげていくかが重要です。
特に、人と人との具体的な結びつきが大切であり、例えば、アフリカから日本に来ている留学生は、将来日本との懸け橋となりうる貴重な人材ですので、継続的な関係を築いてほしいと考えます。

第7回会議の開催によって、この人材交流が生まれた、というような成功事例を横浜から生み出してほしいと思います。
「アフリカに一番近い都市 横浜」の実現に向けて、今後のアフリカとの人材交流の取組に期待して、次の質問に移ります。

15.外国人材の受入と環境整備について

本年6月、「骨太方針2018」が閣議決定され、その中で、外国人材の更なる受け入れの方針が示されました。
一定の専門性や技能を持つ外国人材に対する新たな在留資格を創設するもので、2025年までに50万人を超える新たな外国人材の受け入れを目指しています。
新たに働き手として来日する外国人のみならず、すでに横浜に居住している外国人も含め、地域社会で安心して暮らしていけるよう、受入環境の整備に向けて、市として総合的な取組が求められます。

2020年のオリンピック・パラリンピックなどの機会も活用しながら、横浜在住の外国人が、地域で活躍できる取組や、多文化共生への一層の推進を期待します。

16.食品ロス削減について

まだ食べられるにも関わらず廃棄される「食品ロス」は、今や世界的な課題であり、その削減はSDGsの複数の目標を同時に達成する取組としても認識されています。
先日、年間を通して食品ロスについて学習する「食品ロス削減学習プログラム」を実施している、横浜市立日枝(ひえ)小学校で行われた、国連食糧農業機関FAOのボリコ駐日事務所長の講演会を拝見致しましたが、子供たちの積極的な姿勢が印象的でした。

SDGsの目標達成に向けて、市長のリーダーシップのもと、横浜市の各区局が一丸となって、力強く取組を進めてい頂くことを要望します。

17.持続可能な開発目標(SDGs)について

平成28年12月に国が決定した「SDGs実施指針」では、SDGsの実施における地方自治体の積極的な取組が要請されており、我が会派としても、横浜市がSDGsに積極的に貢献していくべきだと、繰り返し主張してきました。
その結果、新たな中期4か年計画の原案においては、6つの中長期的な戦略と17の目標を関連づける形で、SDGsが本市の計画に正式に位置づけられたことに一定の評価をしています。

これまでも我が会派は、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて取り組んできました。引き続き、本市におけるSDGs実現に向けた、さらなる取り組みを要望します。

18.国際平和推進条例を踏まえた取組について

「国際平和の推進に関する条例」では、国際交流、国際協力、多文化共生等の国際平和に貢献する取組を推進することにより、市民の平和で安心な生活と国際平和に寄与すると謳っています。
国連からピースメッセンジャーの称号を授与された横浜市は、核兵器の廃絶に向けて、世界の都市や国際機関と協力するとともに、被爆の実相を、若い世代をはじめとする多くの方々に知ってもらうために、具体的な取組も進めていかなければならないと考えます。

本年2月に行われた国際平和講演会では、平和首長会議の小溝事務総長が、「核兵器の抑止力に依存する「対立的安全保障」ではなく、相互信頼と協力の促進を基本とする「協調的安全保障」を目指すべき」と語られました。
この実現に向けては、都市や市民社会の役割が大きいと考えますので、ピースメッセンジャー都市としての役割を果たして頂くことを要望し、公明党横浜市会議員団を代表しての質問を終わります。