公明党横浜市会議員団

議員一覧 議員団活動報告 Voiceヨコハマ

令和3年第3回市会定例会において一般質問を行ないました。(9月16日)

9月16日(木)の本会議では、斉藤伸一議員が公明党横浜市会議員団を代表して、市政の重要課題について質問いたしました。

1. 市長の政治姿勢について

市長は、先の市長選において、多岐に渡る具体的な選挙公約や政策を掲げ当選されました。
選挙公約は、市長や私たち議員のような公選職にある者にとって、市民の皆様との約束であり、最も重要なものであるということは、市長も同意されることと思います。
市長は選挙戦において「市民に誠実。データに正直な市政の実現」を掲げ、所信表明でも同様に述べられました。
しかしながら、先の議案関連質疑では、ワクチン接種の24時間体制について具体的な答弁をいただけなかったように、裏付けとなるデータや実現可能性がはっきりしない公約が多く、疑念を抱かざるを得ません。

2. 公約と今後の財政運営について

昨年9月、「横浜市の長期財政推計」が公表されました。本推計については、今後の市政のあり方を考える上での重要な資料として、この市会の場においても、各会派から、これまで何度となく取り上げられてきたところです。
本推計で示されている将来の財政の姿について申し上げれば、今後、少子高齢化の進展による社会保障経費の増加と市税収入の減少によって、2065年までに収支不足が約2,170億円まで拡大する見込みとなっています。
忘れてならないことは、現在でも既に数百億円の収支不足が生じており、これを減債基金の取崩などの臨時的な財源によってなんとか賄っている状態にあるということであります。
また、長期財政推計には、現時点で得られるデータをもとに、統計的な手法等により機械的に推計したものですので、市営住宅や学校の建て替えなど、今後見込まれる公共施設の保全更新費の増加は含まれていません。
さらに、市長が選挙中に公約実現の財源として喧伝(けんでん)していた劇場建設のための615億円、そのランニングコスト年間50億円は、そもそも予算化されておらず、本推計に含まれていないことを付け加えておきます。
こうした極めて厳しい財政状況に鑑みれば、今後、本市の持続性をいかに確保していくかということが重要な課題であることは火を見るより明らかです。
このことは、市政に関係する者にとって十分に共有されていると考えていましたが、多額の追加財源が必要となる市長の公約を見ると、その点について一体どうお考えなのか、疑問を抱かざるを得ません。

3. 「敬老パス自己負担ゼロ(75歳以上)」の今後の対応について

いわゆる敬老パス制度は、昭和49年の制度開始以来、長きにわたり、高齢者の外出を支援してきた大切な制度です。これまでの制度の見直しや検討の中で最も大切にしてきたことは、敬老パスを将来に渡り継続していくことでありました。
市長は敬老パスの75歳以上の利用者負担を無料化する公約を掲げています。

4. 「子どもの医療費ゼロ(0歳から中学生)」の今後の対応について

子どもの医療費助成については、子育て支援策の中で、重要な役割を担っており、必要不可欠な事業だと考えます。
我が党は、平成4年に、横浜市会において初めて、子どもの医療費の自己負担の無料化を提案しました。その後も粘り強く主張を重ね、平成6年にゼロ歳児を対象に制度を導入するとの考え方が当時の市長より示され、平成7年1月から制度の実現に至りました。
現在の小児医療費助成制度の第一歩を踏み出すまでには、単に議会での質問に留まることなく、時の市長との喧々諤々(けんけんがくがく)の議論の積み重ねがありました。
以来、我が党は、対象年齢の拡大と所得制限の撤廃に全力で取組むとともに、将来に渡って持続可能な制度になることを意識して、一歩ずつ制度を拡充して来たものと自負しております。
しかしながら、この度、市長が掲げた「子どもの医療費ゼロ」という公約は、これまでの積み重ねてきた経緯を軽視していると受け止めざるを得ません。

5. 「出産費用ゼロ(基礎的費用)」の今後の対応について

我が党は、これまで長年にわたり、当事者の声に耳を傾け、出産費用の負担軽減に一貫して取り組んできました。
平成6年に健康保険制度における出産育児一時金の創設を推進し、当初30万円で始まった支給額も、18年に35万円、21年1月に38万円、10月に42万円へと、我が党の継続的な働きかけにより、段階的な引き上げが実施されました。
市長は、出産にかかる基礎的費用をゼロにするという公約を掲げられましたが、市長がどこまでのゼロを目指すのか、伺っていきたいと思います。

6. 中学校給食について

本年4月より、デリバリー型の中学校給食がスタートしました。
我が党では、共働き家庭の増加や就労形態の多様化など社会情勢の変化から、家庭弁当を用意することが困難なご家庭に何ができるかと、課題の解決に積極的に取り組んでまいりました。
平成9年に実施した学校へのパンの自動販売機の導入を皮切りに、地元の業者弁当等の導入を進め、スクールランチ方式のモデル実施を経て、全市一律の昼食提供が可能となるハマ弁の全校実施、そしてこの度のデリバリー型給食の実現など、25年以上の長きにわたり横浜の中学校昼食の議論をリードしてきました。
実施に至る検討の中では、中学生の目線で現場のニーズや現状を把握するために、平成18年度以降5回にわたりアンケートを実施してきました。
客観的な根拠に基づき、かつ現場の声を受け止めた結果として、現在の「選択制のデリバリー型給食」という結論を導き出しています。
長年、家庭弁当に頼ってきた本市にとって、中学校給食の実現は、歴史的な大きな一歩であり、今後、利用が進むことで更なる発展も期待できる、大変重要な事業だと自負しています。
市長は全員喫食を目指すと言っていますが、そもそも市長が考える全員喫食とは、小学校の様な給食をイメージしているのか、それとも現在のデリバリー型で全員が同じものを食べると言う意味なのか、公約や所信表明から見いだすことができません。

7. 待機児童・保留児童の解消について

政府が「待機児童解消加速化プラン」を進める中で、平成28年に我が党が「待機児童の解消を求める緊急提言」を行うなど、待機児童ゼロに向けて積極的に取り組んできました。
本市では、保育所整備など受入れ枠の確保の他にも、保育士宿舎の借上げ支援に加え、幼稚園教諭等の住居手当の補助を本市独自で行うなど、幼児教育・保育従事者の定着に向けた支援も行っています。
このように、待機児童ゼロに向けて、議会と行政が議論を重ね様々な取組を進めてきました。
市長は、「待機児童・保留児童の解消」を重点施策に掲げ、選挙戦でも「保留児童問題を必ず解決したい」と発言されています。

8. 新型コロナウイルス対策について

最も重要なのは「救える命を確実に救う」ことであります。
市民の命を守るため、医療提供体制の強化、ワクチンの着実な接種、そして感染防止対策の徹底、この3点が重要であります。
こうしたことを踏まえ、9月3日、公明党横浜市会議員団として山中市長に対し、緊急要望を行ったところです。
医療提供体制については、中等症以上の重症化した患者及び妊婦を含む重症化リスクの高い方を、迅速に医療機関で受け入れることができる対策を講じる必要があると考えます。
現在、ワクチン接種については日中が中心になっていますが、ライフスタイルが多様化する中、時間帯を工夫して深夜及び早朝も接種を受けることができる環境整備や、若年世代に特化した接種場所の整備などにより、若年世代の接種を促進していくことが必要と考えます。

以上、8項目にわたり質問をしてまいりました。
最後に、私が大切にしている言葉をご紹介します。
それは、「積小為大」(せきしょういだい)。
小さなことを、根気よく積んで大きなことにする、逆にいえば、小を積む努力無くして大はない。
そして実は、この小を積む努力にこそ、政治にとってもっとも大切な「信頼」の根源があるものと確信いたします。
これからも小を積む努力を惜しまず重ねていくことをお誓いし、公明党横浜市会議員団を代表しての質問を終わります。