公明党横浜市会議員団

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令和4年第3回市会定例会において一般質問を行ないました。(9月8日)

9月8日(木)の本会議では、尾崎太が、公明党横浜市会議員団を代表し、市の重要課題21項目に関連して質問いたしました。

以上、山中市長、鯉渕教育長に質問いたしました。

1. 横浜市中期計画2022~2025(素案)について

公明党は、かねてより、安心して子どもを産み育てられる社会へ、子育て支援を国家戦略と位置付けてきました。
 約30年前に我が党の提案で始まった、出産育児一時金の大幅な増額や、奨学金の拡充など、結婚から妊娠・出産、子どもが社会に出るまでを、一貫して支援する「子育て応援トータルプラン」を年内に策定し、国と地方が連携して、その具体化に取り組むところです。

2. 小児医療費助成事業について

本市の子育て支援策の中でも、特に関心の高い小児医療費助成事業ですが、我が党は、平成4年に本市会において、初めて乳幼児の医療費自己負担の無料化を提案し、平成7年1月から0歳児を対象とする医療費助成制度の創設を実現しました。
 それ以降、我が党は一貫して、持続可能な制度となるよう、時の市長との議論を通し、所得制限の撤廃をはじめとする制度拡充を強く要望して参りましたが、平成31年4月には助成対象を中学3年生まで拡充し、令和3年4月には1,2歳児の所得制限の撤廃に至りました。

3. 出産費用の負担軽減について

出産費用の負担軽減は、少子化問題に係る具体的な課題の中でも大変重要です。
 現在は健康保険制度において、出産育児一時金を支給していますが、出産費用を保険適用すべきという主張も耳にします。
 保険適用については、これまでも議論がなされていますが、健康保険制度は「病気やけがに対しての療養の給付」であるという基本的な考え方があり、具体的な医療エビデンスに基づく保険適用は容易ではないと考えます。

お子さんを望まれるご家庭の皆さんに喜んでもらえるよう、リアリティのある実現可能な対応策を、スピード感を持って実現いただくよう、市長の英断を強く期待します。

4. 児童虐待を受けた子どもたちの支援について

児童虐待は、子どもの権利を侵害する行為であり、絶対に許されるものではありません。
 横浜市では、令和3年度の児童虐待相談対応件数は、11,480件となり、令和2年度と比較すると減少しましたが、高止まりの状況です。
 児童虐待の未然防止、早期発見に力を注ぎ、虐待そのものを減らしていく努力とともに、虐待を受け、心に傷を負った子ども達への支援も、しっかりと考える必要があります。
 例えば、「お日様お裾分スポット」という横浜リビングラボサポートオフィスが推進する取り組みがあります。これは、災害時に太陽光で充電したモバイルバッテリーをご近所の方に「おすそ分け」し、いざという時に電力をみんなでシェアするプロジェクトです。
 現在、地域企業を中心に51社の登録があり、太陽光発電施設の普及と防災・減災活動、更に地域のつながりづくりを兼ね備えたまさに一石三鳥の取組になっています。民間企業(施設)が、再エネを普及し、地域の防災拠点となる私の地元の瀬谷区の資源リサイクル事業者もその第1号となっています。

市内には、面接などのつらい場面で、自分の受けた出来事を、安心して他者に伝えられるよう手助けをする「付添犬」の普及活動をしている団体があります。
 海外では、裁判等の場で活躍することから「コートハウスドッグ」と呼ばれる「付添犬」ですが、傷ついた子どもたちの心のケアに非常に大きな役割を果たしているとのことです。
 また、横浜にある神奈川県立こども医療センターでも、子どもたちのケアに「付添犬」が活躍しているとのことです。
 横浜市においても、そうした先進的な取組も参考にしていただきながら、虐待を受けた子ども達の心のケアにつながる施策を検討いただくことを要望致します。

5. 中学校給食について

今回の中期計画素案では、「令和8年度から中学校給食の利用を原則とし、デリバリー方式により全ての生徒が満足できる給食を目指す」ことが示されました。
 我が党では、現在のデリバリー型給食を一層発展させ、栄養バランスの整った給食を、より多くの生徒に利用していただく事が、横浜市が目指すべき中学校給食の将来像だと、繰り返し主張してまいりました。
 デリバリー型給食の一層の発展は、まさに、我が党が長年にわたり議論をリードして着実に歩みを進めてきた、ハマ弁の導入や選択制のデリバリー型給食の実施の延長線上にある、横浜の実情に即した方針です。

現在の中学校給食の契約期間が終了する令和8年度を見据えると、残された時間は決して多くありませんので、デリバリー型給食の更なる発展に向けて、着実に検討を進めていただくことを要望します。

6. 方面別学校教育事務所の効果について

教育委員会では、平成22年4月に市内4方面に学校教育事務所を開設し、今年で13年目を迎えています。
 学校教育事務所は、学校の自主性・自立性を高め、校長のリーダーシップによる学校経営を推進していくために、より学校に近い場所から学校の実態や実情を把握し、適確、迅速で、きめ細かな学校支援に取り組んでいくということを期待されていました。

7. 児童生徒のゲーム障害・ネット依存について

最近、保護者の方からは、お子さんが日常的にスマートフォンを使う生活が当たり前となっているという話を聞いています。
 特に、2年半以上にわたり、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた子どもたちは、一人で過ごす時間が増えて、ゲームやネットに過度にのめり込むことによって、学力の低下や日常生活に支障が生じるといった、ゲーム障害・ネット依存の傾向になっていくことを危惧しています。

児童生徒が、ゲーム障害、ネット依存とならないように学校、教育委員会、家庭の三者がしっかりと協力し、関係機関とも連携しながら、引き続き、子どもたちを守る取組を推進していくことを要望します。

8. 部活動の充実と地域移行について

現在も日々、子どもたちは、感染症対策に気を付けながら、仲間たち、顧問の先生や指導者の皆さんと一緒に、部活動に励んでいます。
 コロナ禍と言われる中でも、徐々にではありますが、部活動の日常も取り戻しつつあります。
 部活動では、学校を背負うという責任感と誇り、仲間との思い、組織の中の規律など、競技や種目の技術だけでなく、大人になる過程で大切なものを学ぶことができると考えます。
 一方で、教職員の働き方という視点で、部活動を持続可能なものとするべく、本市も含めて、全国でも様々な改革に取り組まれていると承知しています。

この先も部活動が、子どもたちにとって価値あるものであり続けるために、横浜という地域の強みが子どもたちにとって望ましい形で作用する地域移行が実現されるよう、丁寧に取組を進めて頂くことを要望致します。

9. 新たな肢体不自由特別支援学校の整備について

昨年9月に国から特別支援学校の設置基準が出され、また本年3月には神奈川県が「かながわ特別支援教育推進指針」を公表しています。
 本市においても、それらを受けて、昨年度から「特別支援学校の整備等に関する考え方」の策定作業を進めていると伺っています。
 3月に報告されたこの素案には、本市の東部地域に神奈川県が知的障害と肢体不自由の子ども達が通う県立特別支援学校を新たに建設する、ついては市として、県に協力してその実現を目指すことなどが記載されていました。

10. 給食室へのエアコン設置について

普通教室、及び主要な特別教室への空調設備の全校設置に引き続き、わが党からの強い申し入れを受け止めていただき、体育館への空調設置が開始されています。
 令和4年度は大規模改修工事に併せて設置する学校も含めて、28校で工事が予定され、本格的に設置が進んでいると聞いています。

学校施設へのエアコン整備は、時間や財政負担など、多くの課題を伴いますが、様々な手法を検討頂きながらスピード感を持って取り組まれるよう要望します。

11. 豊岡小学校の建替え及び複合化について

私の選出区である鶴見区にある豊岡小学校については、建替えにあわせて、周囲に立地する鶴見図書館、鶴見保育園、つるみ区民活動センターなどとの複合化がなされると聞いています。
 公共施設の複合化は様々な形で行われていますが、例えば豊岡小学校においても、学校や図書館などと親和性が高いと考えられる、教育や健康・スポーツといった分野の民間事業者にも参入いただければ、子どもの教育環境の向上や健康増進、さらには小学校が接する豊岡商店街と一体となった賑わい形成など、新たな価値を民間事業者と共に創り出すことができる、魅力的な施設になることも期待されます。

合わせて、私の地元の鶴見区役所は、こども家庭総合支援拠点などの機能が増えるたびに職員数が増加し、大変厳しい労働環境となっています。
 また、狭あい化対策のみならず、防災面での区役所機能を確保していくとも重要です。
 先の豊岡小学校の建替えも含めて、官民が連携し、公費を投入せず、公共施設の整備をすることは、財政の視点からも検討に値するものと考えます。
 他都市の事例なども視野に入れながら、新しい発想で取組んでいただくことを要望します。

12. 敬老特別乗車証(敬老パス)について

敬老特別乗車証、いわゆる敬老パスの制度については、令和元年度に「敬老特別乗車証のあり方に関する検討専門分科会」が設置され、制度の課題が議論されました。
 その答申において、本制度は高齢者の外出支援を通じた社会参加支援の効果があり、改めて持続可能な制度とすべきことが確認されています。

IC化により、これまでの紙製のパスからICカードに代わることは、高齢者にとっては大きな変化です。
 高齢者が混乱なく早期にICカードに慣れていただけるよう、広報や現場での案内については、交通事業者とともに丁寧にご対応頂くよう要望します。

13. 障害者差別の解消について

この8月22日・23日に、スイス・ジュネーブで国連による障害者権利条約の日本政府に対する初の審査が行われました。
 その中で、「障害者差別解消法において、社会の全てにおいて本当のインクルージョンは非常に重要だが、合理的配慮のための法的な基盤がない」ことが指摘されていました。

横浜市障害者プラン第4期の基本目標に、「障害のある人もない人も、誰もが人格と個性を尊重し合いながら、地域共生社会の一員として、自らの意志により自分らしく生きることができるまちヨコハマを目指す」とあります。
 改めて、横浜市が率先して、障害者の人権が守られ基本的自由を実現できる社会を作っていくべきであると申し上げます。

14. 在宅療養者の停電対策について

近年、地球温暖化により、大雨の頻度が増え、台風や豪雨による風水害のリスクが高まっています。
 大規模な、また長期間にわたる停電が発生した場合、最も困難になるのは、在宅で療養しながら医療機器を使っている方々ですが、今年度から、新たに、「要電源障害児等災害時電源確保支援事業」を開始しました。
 これは、在宅で電源を必要とする医療機器を使用されている方に、発電機や蓄電池を給付する事業となります。

今年も台風シーズンがやってきましたが、全国的には毎年のように大規模な風水害や停電が発生していることを考えると、早期に複数の対策を実施していく必要があると考えます。在宅療養者など災害時に援護が必要な方々が安心して生活できるよう、対策の充実を期待します。

15. 特殊詐欺対策について

横浜市内における強盗や空き巣等の刑法犯認知件数は年々減少しており、平成16年のピーク時と比較すると6分の1程度にまで大幅に減少しました。
 一方、特殊詐欺については、コロナ禍となった令和2年、3年は減少傾向でしたが、令和4年からは再び増加に転じ、7月末時点の市内累計被害件数は466件、被害額は約8億8,100万円と、昨年比で約1.5倍もの被害が発生していると聞いています。

これまでコツコツと貯めてきた財産を騙しとる特殊詐欺は、被害に遭われた方の人生設計が大きく狂うだけではなく、家族から騙されたことを責められるなど、人の絆をも傷つける、決して許されない犯罪です。
 特殊詐欺被害を無くすためにも、市が前面に立って、特殊詐欺対策の取組に尽力されることを強く要望します。

16. お悔やみ手続について

私自身も以前、身内に不幸があり、その際には複数の窓口に足を運び、同じような書類を書くなど苦労した経験があります。
 他都市では「お悔やみ窓口」の設置が進んでいると聞いており、わが党としても以前からこの窓口設置には関心を持っており、この市会の場でも要望していたところです。

様々な手法を検討しながら、ご遺族の方に寄り添い、手続きの負担が少しでも軽減されるよう引き続き検討いただくことを要望します。

17. 脱炭素化の推進について

2015年のパリ協定以来、世界の脱炭素化の流れは急速化し、世界各国で取組が進められています。
 一方で、脱炭素化には、国だけでなく、大都市の役割の大きさも強調されるようになっています。

18. 公共施設の照明のLED化について

横浜市役所は、市域の温室効果ガス排出量の約5%を占める市内最大級の排出事業者であり、市民や事業者の脱炭素化の行動を促すためにも、市役所が率先して取り組んでいかなければなりません。
 その中でも、省エネ効果が高いLED照明の導入は、非常に重要な取組の一つです。

19. 今後の河川整備について

近年、全国各地で河川の氾濫による甚大な被害が発生しています。
 私の地元鶴見区を流れる鶴見川では、「総合治水対策」が全国に先駆けて取り組まれ、その対策の一つである鶴見川多目的遊水地では過去20回以上の貯留実績があり、河川氾濫を防いでいることは、先人も含め、多くの方々のご尽力の賜物であると考えています。

わが党は「防災減災を政治・社会の主流へ」を掲げており、中でも流域治水対策の根幹となる河川整備は、市民生活を守る重要な取り組みと考えております。
 また、ハード対策と併せて、いかに市民へ分かりやすく、対策の効果を伝えるかが大変重要であると考えており、様々な機会を捉えて、防災・減災にかかわる広報・啓発をはじめとする、様々な対策を力強く推進していただくことを要望致します。

20. 核兵器のない世界の実現について

世界の核軍縮の方向性を、およそ1か月にわたり協議してきた第10回NPT再検討会議(核兵器不拡散条約)は、締約国が合意に至ることができず、最終文書を採択することなく、8月26日に閉会しました。
 非核三原則を作ってきた我が党としては、核兵器使用の可能性が高まっている今こそ、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を国是として堅持し、「核兵器のない世界」に向けて歩みつづける必要があると考えます。

本市は、1987年に広島、長崎と同時に国際連合からピースメッセンジャーの称号を授与されています。
 「核兵器のない世界」の実現に向け、諦めることなく、そして継続的に取り組みを進めて頂けますよう要望します。

21. 本市財政の持続可能性について

ここまで、新たな中期計画(素案)に掲げられた施策や事業を推進するという観点から、順次質問をして参りましたが、これらの施策を安定して進めていくためには、その土台となる財政の持続可能性が、しっかりと確保されていることが必要です。
 今回示された財政見通しを見ると、計画期間中の3か年で1,000億円の収支不足が見込まれており、この収支不足を解消するために、財源確保の取組などに加え、歳出改革を進めていくとしています。

戦後初めて人口減少に転じ、本格的な超高齢社会がさらに進展するというこれまでにない社会環境の変化に加え、昨今の原油価格・物価高騰など不測の事態にも、柔軟に対応できる財政運営が今後も求められます。 中期計画に掲げる施策をしっかりと推進し、市民の皆様がこれからも安心して横浜市に住み続けたいと思っていただくためにも、中長期的な視点をしっかりと持って、持続可能な財政運営を行って頂くことを要望し、公明党横浜市会議員団を代表しての私の質問を終わります。