公明党横浜市会議員団

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平成17年第4回市会定例会(12月22日)

12月22日(木)の本会議では、榊原泰子 議員が平成17年度横浜市定例会に提案された議案のうち

  • 市第97号議案横浜市事務分掌条例の一部改正
  • 市第105号議案横浜市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正
  • 第109号議案横浜市技能文化会館の指定管理者の指定

以上につきまして,賛成の立場から,
また、請願第21号および請願第22号について、不採択に賛成の立場から、公明党横浜市会議員団を代表し、意見を述べました。

賛成討論

私は、今定例会に提案された議案のうち、市第97号議案横浜市事務分掌条例の一部改正、市第105号議案横浜市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正および第109号議案横浜市技能文化会館の指定管理者の指定につきまして,賛成の立場から,また、請願第21号および請願第22号について、不採択に賛成の立場から、公明党横浜市会議員団を代表し、意見を述べたいと思います。

はじめに、市第97号議案横浜市事務分掌条例の一部改正および市第105号議案横浜市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正でございますが、本市の局再編成は、平成16年2月に「局再編成の基本構想」を公表以来、2年9か月にわたり議論が進められ、今回の提案をもって、34年ぶりの大規模な局再編成は総仕上げとなるものであります。
今回提案された「行政運営調整局」「市民活力推進局」「こども青少年局」「健康福祉局」「経済観光局」「安全管理局」の新設により、行政サービスに対する市民満足度の向上に寄与するとともに簡素で効率的・効果的な執行体制が構築されるものと考えておりますが、ここで、特に、当初の「局再編成基本構想」には想定されていなかったものの、これ以降に検討・提案された「安全管理局」について意見を申し述べておきたいと思います。
この新局は、今回の局再編成の大きな柱であることは認識しております。
昨今、横浜にも発生が懸念されている大規模な地震災害、世界的に問題となっているテロ対策や鳥インフルエンザなどの新興感染症対策、また、市民意識調査で3年連続して市民要望の一位となっている防犯対策など、さまざまな危機に対して市民が不安を抱いている中、これまで消防局、総務局、市民局に分かれていた危機対処や危機全般に対する総合調整機能を一元化し、市民の安全確保に向けて消防の機動力を活かして対応する新たな局の設置は、市民のニーズにも合致し、時宜を得たものであると考えます。
局再編成とは、ある意味では器の整備に過ぎず、重要なことは、その運用であります。特に「安全管理局」については、いざという時に所期の機能が十分に発揮されるよう、平素から再編趣旨を一人ひとりの職員に徹底し、市民生活のより一層の安全確保に貢献していただきたいと思います。
さて、「安全管理局」の設置により、わが国の近代化ともに戦後全国的にも親しまれている「消防」の名が、本市の局名からなくなることとなるわけですが、わが党としても、本会議や関係常任委員会において、特に「消防」の名称がなくなることについて、市民や関係者の視点にとってどう映るのかなど、真剣な議論を行ってまいりました。
消防組織法に基づく「消防本部」自体が無くなるものではなく、市民に身近な消防車や救急車においても「横浜消防」の表記が継承されることなどを確認することはできましたが、「安全管理局」が新設されたのちにも、横浜消防を是非、前面に押し出し、今まで親しまれてきた「消防」の2文字を横浜から消すべきではないことを、わが党も改めて、申し添えておきます。

次に、第109号議案横浜市技能文化会館の指定管理者の指定についてでございますが、指定管理者制度は、言うまでも無く、多様化する市民ニーズにより、公の施設を効果的、効率的に運営するために、民間のノウハウを活用しながら、市民サービスの向上と経費の節減を併せて図ることを目的に、地方自治法の改正により、創設されたものです。
指定管理者制度の導入により、指定管理者となろうとする者は、それぞれの施設の目的を十分に認識することが必要であります。
横浜市技能文化会館については、情報化社会への対応や余暇時間の増大、中小企業と大企業との労働環境の格差拡大といった、勤労者を取り巻く様々な課題を解決し、勤労者の福祉の向上と技能職の振興を図ることを目的に昭和61年、中区に建設されたもので、建設に際しては、技能職者の団体など、市民からの要望もあったと伺っております。しかし、当初の目的を達成するための創意工夫が十分であったとは言いがたいところもあり、本年6月の条例改正では、指定管理者制度の導入を図るとともに、貸館的に利用されているという指摘もある中で、会館本来の設置目的に立ち戻るとともに、時代のニーズにあわせた活性化を図るため、設置目的に、「雇用による就業の機会の確保」を追加し、合わせて「匠プラザ」の機能強化や各種事業の拡充強化を進めてまいりました。
審査委員会によって選定された株式会社ファンケルホームライフについては、審査報告書によれば、民間事業者として経営感覚あふれた提案であると、評されています。
議案関連質疑の中で、市長からは、わが党の和田議員への答弁の中でも、民間事業者の特徴と考えられる提案として、ファンケルグループの教育訓練部門を活用した職員研修の実施や全国大会を目指す技能職後継者の育成の技能コンクールなどが上げられています。しかし、公募要項等について多少の理解不足があり、事業の実施方法等について調整を図る必要があるとの指摘もあります。
今後、指定管理業務を行うにあたり、是非とも市民サービスの低下をきたさぬよう、指定管理者との協議を十分に行うべきと考えております。
また、開館以来その管理運営を支えてきた財団法人横浜市勤労福祉財団については、技能職振興に関しては、開館以来、横浜市技能職団体連絡協議会の事務局として、50以上の技能職種の団体の方々と日常的に緊密な連携を図り、「技能まつり」などの普及・啓発活動、技能文化の保存や「希少職種」の調査研究などを行ってきていました。
昨年には、外部委員による「横浜市勤労福祉行政のあり方検討会」からの報告では、技能職振興や雇用就業等の業務を会館運営と併せて行うことが望ましいとされ、それを踏まえ、17年度から、遅ればせながらの感はいなめないものの、技能職者や技能職団体への支援策を計画する他、匠プラザの改修を行い、見る、触れる、体験する事業の企画等を準備してきたところであります。こうした蓄積されてきたノウハウや横浜マイスターをはじめとした技能職者の方々との人間関係は、運営主体が変わっても生かされなければならないと考えます。
今回の技能文化会館の指定管理者の公募では、施設の管理運営を現に行っている市の外郭団体が主たる業務を失う始めての事例になります。指定管理者の選に漏れた「勤労福祉財団」にあっては、財団の設立趣旨や事業目的と照らすと市長のご発言のとおり、「解散」の方向も止むを得ないかもしれません。しかし、解散した場合には、当然に財団に勤務している職員の雇用問題は避けては通れない問題です。
雇用問題は、財団はもとより、市は、設置者として誠意ある対応が求められるものであると思います。雇用主である財団とともに、市は、職員の雇用について、できるだけの努力を行うことを要望しておきます。

続きまして請願第21号および請願第22号の「西区おでかけサポートバス」についてでございますが、このサポートバスにつきましては、駅や既存のバス停までの距離があり、起伏が多い地形のために、高齢者等が日常生活における移動に困難を感じるような地区における移動支援策の一環として、かねてより我が党としても事業の実施を強く要望し、実験運行が実施されているものであります。
平成16年度決算第二特別委員会の道路局の局別審査において、私は、西区おでかけサポートバスが好評であり、地域の足として定着していることから、実験運行の延長について要望いたしました。
去る11月14日の道路消防委員会において、現行の実験を3月31日まで延長するとの報告をいただきまして、現在、実験運行が継続されているところであります。
本格運行が困難である理由としては、財政状況がより一層厳しさを増していく中、現行の運行形態では新たな収入増が見込めないこと。また、事業を安定的に継続していくためには、地域の皆様の理解と協力が不可欠であり、事業に関する認識を共有し、課題に対して地域と行政が協働して解決していく必要があること。これらの課題を解決するためには、平成18年3月31日までの間は、現行の運行形態のまま実験運行を延長し、これまでの実験運行の結果をもとに、導入効果や採算性などを含めた効率的な運行方法や費用負担のあり方等の事業の仕組みについて、地域の皆様と検討していくこと、とされており、理解するところでございます。
12月13日の本会議においても、市長は、「高齢者の移動を支える交通手段として、持続可能な事業が実施をできるようにしていく必要があり、そのために地域と行政の役割分担や費用負担のあり方といったことなど、新しい事業の仕組みについて、地域の皆様とともに考え、ご理解いただけるよう働きかけをしてまいりたい」と答弁されております。
高齢化の進展など社会情勢が変化し、市民ニーズの多様化が進む中で、おでかけサポートバスのような地域交通への要望も、さらに増加してくるものと考えられますが、厳しい財政状況の中にあって、新たな財政負担を伴う事業を実施する場合は、事業としての採算性を踏まえ、今後の市域への展開を見据え、的確に判断していく必要があると考えます。
西区だけでなく他の多くの区においても、事業の実施が望まれていることもあり、市長も答弁されたように、将来は市域全体に展開できるような、持続可能なシステムを構築していくことが何より重要であります。
そのためには、料金設定、運行計画および地域支援のあり方など個別、具体的な解決すべき課題が多くあるものと思います。
現在、西区および道路局においては、地域と行政とで組織する「おでかけサポートバス運行支援会議」を開催し、地域の委員の皆様から、運行経費の削減や運賃のあり方等について、熱心に議論し、貴重な意見や提案が出されているところであります。
また、利用者および地域住民に対するアンケート調査を実施し、広く意見を募集するなどの取り組みも予定されています。実際、当局と地域との話し合いが進められているところであります。
今後、検証を重ね、より優れた仕組みとして改良し、持続可能のものとして本格運行につなげていくことが、必要ではないかと考えております。
こうした中、請願第21号および請願第22号は、ともに「西区おでかけサポートバスの本格運行を実施すること」を要望するものでありますが、これまで申し上げたとおり、今は持続可能な仕組みを構築すべき時期であり、本格運行の実施を判断する時ではないと考え、わが党は2つの請願について、委員会の不採択という結果に賛成を表明いたします。
最後に、これまでの実験運行の結果や多くの利用者の声が示すとおり、日常生活における移動の確保という利便性だけでなく、高齢者福祉、地域まちづくりおよび環境保全といった様々な観点からも有効な、このおでかけサポートバスについて、近い将来に本格運行が実施されるよう、システム構築の取り組み強化を強く要望して、わたくしの討論を終わります。