公明党横浜市会議員団

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平成28年第4回定例会において一般質問を行ないました。(12月9日)

12月9日(金)の本会議では、行田朝仁議員が公明党横浜市会議員団を代表して、横浜市の市政についての9項目に関連して質問いたしました。

以上、林市長に質問いたしました。

1.都市経営について

現在の中期4か年計画では、少子高齢化の進展や都市インフラ等の老朽化という都市としての大きな転換点を迎えているからこそ、市が直面する課題を一気に解決すべく、未来に向けての投資を積極的に行い、様々な取組が進められています。これは時代の要請に応えるものであり、高く評価できるものと考えます。
今後、本市では2019年をピークに人口が減少に転じ、2025年には高齢者が100万人になろうと見込まれています。

2.財政運営について

本市税収の中心は個人市民税ですが、生産年齢人口の減少は個人税収入の減要因として推測されます。また、高齢者の増加等により社会的保障経費も増えており、市全体の予算に占める割合も増加傾向にあります。
(参考:人件費、公債費を含めた義務的経費の割合H20年度50.0%→H28年度56.2%)
このような中、私は特に、社会福祉施策に力を入れてもらいたいと考えていますが、財政に限界がある中では、「いのち」に近いところから優先順位をつけ、何に投資をしていくのか、選択をしていかなければなりません。
本市でも、様々な工夫をしていることは承知していますが、将来の財政運営に与える影響は大きく、選択と集中という視点も取り入れるなど、スマートに進めなければなりません。

3.災害対策について

わが党は、かねてから、災害時の道路陥没は、人や車に損害を及ぼし、緊急車両の通行にも大きな支障となることを指摘し、路面下空洞調査の必要性を訴え、平成25年の定例会で、「緊急輸送路の調査を集中的に行う」旨の御答弁を、平成26年の定例会で、「平成25年度から3年間で緊急輸送路の調査を進めている」旨の御答弁を、それぞれ林市長からいただき、緊急輸送路380キロは年間約100キロのペースで調査を行い、平成27年度で完了したと伺っております。
近年、1時間雨量が50ミリ以上の非常に激しい雨が頻発するなどの「いわゆるゲリラ豪雨」により、各地で大きな被害が相次いで発生しています。
こうした過去に経験のない気象環境の変化に対して、現状の情報発信手段では必ずしも十分とは言えず、今後どのように対応していくか、市民の皆様の命をどう守るかがとても重要です。

具体的な対応策を実現するための予算化を図るなど、来年夏の出水期までに早急に検討を進めていただくことを要望します。

横浜市民防災センターを中心とした地域支援

先日、公明党横浜市会議員団として、市民防災センターを視察しました。
エントランスから、防災グッズの展示など、来場者に自助・共助に積極的に取り組んでほしいというメッセージが伝わってきました。また、体験ツアーは、子どもから大人まで、楽しみながら防災・減災を学ぶことができる施設であると実感しました。

災害時に備えたガソリンスタンドとの協定締結について

本市では、既に様々な民間事業者と協定を締結しておりますが、ガソリンスタンドの9割以上が加盟している「神奈川県石油業協同組合」とは、災害時における自動車や自家発電設備などの燃料の供給に関する協定を締結済みとのことです。
私の地元青葉区を含め、市内のガソリンスタンド関係者からは、大規模災害時には本市と連携して燃料の供給以外にも、様々な対応をとることができるとの協力的なお話を伺っています。
個々のガソリンスタンドと地元で連携することも大切ですが、市として大きな枠組みで、協力関係を築くことが効果的かつ重要と考えます。

災害時における事務・権限に関して

本市では災害に備え、日頃から市と市民の皆様が一体となって避難訓練を実施するなど、自助、共助、公助に取り組んでいます。
ところが、災害に関する現行の法制度においては、中小規模の災害は市が直接手を打つこととなっていますが、災害救助法が適用されるような大規模な災害が発生すると、避難所の設置や食品の供給などの救助の実施は都道府県、つまり、横浜市域で言えば、神奈川県が行う規定になっています。

近年頻発する大型台風や集中豪雨、そして首都直下地震の発生が差し迫っています。大規模災害時の役割分担を見直し、市民の皆様にとって、より安全で確かな災害対策を行っていくためにも、一刻も早く、横浜市をはじめとする指定都市への権限移譲が行われるべきであり、災害救助法の改正の実現に向けて、これからも取り組んでいただきたいと思います。私共も、横浜市、指定都市市長会の取組を応援して参ります。

ペット同行避難訓練の現状と動物愛護フェスタの開催場所について

横浜市では、平成22年に「災害時のペット対策」というパンフレットを作成するなど、ペットの同行避難に関する啓発の取組を進めてきていることは承知していますが、市民の皆様や、受入れ側である地域防災拠点に、ペット同行避難そのものに対する理解や、ペットの保管場所の確保、実際の被災状況を想定した訓練が十分に浸透しているとは、言えません。

4.地域における福祉の充実について

継続的な地域ケアプラザの体制充実について

地域包括ケアシステムは高齢者を対象としたものですが、これまでも主張してきたとおり、高齢者だけでなく、対象者を広げて構築すべきと考えています。特に障害者の方は、地域での居場所が少なく、様々な人と交流する機会が持ちづらいと感じています。
本市は、平成3年に策定した基本方針に基づき、概ね中学校区に1館を目標に、地域ケアプラザの整備を積極的に進め、28年12月1日現在で136館を数えるまでになりました。この施設には当初からコーディネーターが配置され、地域包括支援センターの機能を持ちますが、本年4月には、地域包括ケアシステムの構築もにらんだ体制強化として、加配基準を見直し、全市で80人を超える職員の加配がされたところです。

介護人材の定着及び介護事業所の質の確保について

地域包括ケアシステムの構築を進めるためには、介護サービスを利用者が必要なときに身近な場所で利用できる環境を整え、様々な介護の状態やニーズに応じて、利用者がサービスや事業者を選択できるようにすることが重要です。
一方、介護サービスを担う人材不足は深刻な状況となっており、介護人材の確保、離職防止・定着に向けた取組は喫緊の課題となっています。

今後、事業者側が評価を受けるときの費用負担を軽減するなど、第三者評価制度の促進策の検討を強く要望します。

徘徊対策について

要介護認定者のうち認知症の方は約55%といわれています。青葉区では 要介護認定者が7,000~8,000人ですので、認知症の方が約4,000人はいらっしゃることになります。
認知症の方の徘徊対策として各区でSOSネットワークを作り、早期発見につなげるために、ご本人の情報を事前登録する取組が行われていますが、青葉区のSOSネットワークの事前登録者は約150人と伺っています。
また、徘徊対策として、各区で認知症の方の地域の見守りを進めていますが、区によっては、早期に身元がわかるように、区づくり推進費事業でネームシールや見守りキーホルダーの配付を行っていると伺っています。居場所を把握するGPS等の見守り機器についても、様々な製品が開発されています。どのような方法が早期発見につながるのか、現場の方が一番わかると思いますが、有効な方法について、区としての取組だけではなく、市の事業として取り組んでいくことが必要ではないでしょうか。

市としての徘徊対策の充実を要望します。

5.ヘルプマークについて

内部障害や難病の方、義足や人工関節を使用している方、または障害ではありませんが妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている市民の方は多くいらっしゃいます。
このような皆さんが、周囲に対して配慮が必要なことを知らせるために「ヘルプマーク」があります。我が党としても継続的にとり上げてきましたが、このマークは、平成24年10月に東京都が導入し、横浜市においても、既に県と導入に向けた準備を進めています。
導入にあたっては、一過性ではなく、広く市民の方がこの「ヘルプマーク」の意味を認識して必要な配慮ができる社会としていくことが大切であると考えます。

6.切れ目のない子育て支援について

妊娠期から子育て期にわたる子育て支援

本年度の母子保健法の改正により妊娠期から子育て期にわたる総合的相談支援を提供する「子育て世代包括支援センター」が法定化されました。
子育て世代包括支援センターでは、全ての妊産婦の状況を継続的に把握し、必要な方には支援のプランを作成するといったことも想定されています。
本市においてもこれまでに相談支援の充実を図っていますが、こうした機能を持つことで、妊婦や子育て中の親には、いつでも「困った時に相談できる場所がある」「困った時には支援をうけることができる」ということが、心の支えになるものと期待されます。

児童虐待における今後の警察との情報共有のあり方

27年度、横浜市の児童虐待相談対応件数は5,470件で過去最多を更新し、特に、警察からの通告による虐待対応の件数は、1,685件で、全体の4割以上を占めている状況であり、これまで以上に警察との連携が重要になっています。
 市内には21の警察署があり、場所によって対応の差が生じることが心配されます。見逃しや見落としが許されない重篤な事例もある中、両機関が有機的に連携し、チームとなって子どもを支援する必要があり、そのためにも、円滑な情報共有の仕組みが不可欠と考えます。

放課後キッズクラブの時間延長

放課後キッズクラブは、全ての子どもたちが参加できる「遊びの場」であり、留守家庭児童の安心・安全な居場所です。19時までの子どもたちの居場所が確保されることで、保護者の皆様も安心して働くことができることは、大変喜ばしいと思います。
多くの保育所などにおいては、延長料金はかかるものの、朝7時から夜8時まで、預けることができます。
しかし、小学校に入れば、放課後キッズクラブでの預かりは19時までです。保護者の就労時間や通勤距離は、子どもの進学に合わせて変わる訳ではありません。子どもが小学校に上がったので、勤務のシフトを変えざるを得なかったという声も聞きます。これも、ある意味で「小1の壁」と言えるのではないでしょうか。

放課後キッズクラブのさらなる充実に努めていただくことを要望します。

放課後等デイサービスにおける自立準備のための支援

放課後等デイサービス事業は、大変重要な施策である一方で、一部の事業者の不適切な問題も報道されているなど、サービスの質についての指摘もあります。そうした中で、本市は、ガイドラインを策定し、適切に対応していると考えますが、数の増加から中身の充実にシフトすべきこの時期において、今後はその内容を実現していく必要があると考えます。

放課後等デイサービス事業所は、子どもの放課後の居場所というだけではなく、大人への生活へとつなげていく支援も必要不可欠です。保護者も安心できるしっかりとした卒業後の支援を要望します。

7.きめ細かな教育の推進について

児童支援専任制度

子どもの背景が、より複雑化・多様化している中で、学校の教員が夜間や休日まで仕事をする現実があります。最近では、大手広告代理店の社員が、深夜勤務・休日勤務が常態化し、過労により、自ら命を絶つという痛ましい事件も発生しています。
横浜では、他の自治体に先駆けて、40年以上も前から、中学校に生徒指導専任教諭を配置し、暴力行為や不登校、いじめ等の問題行動への対応や未然防止に、少なからず効果を上げてきました。
また、平成26年度からは、小学校に児童支援専任教諭を全校に配置し、担任が一人で抱え込むことなく、組織的にいじめや不登校などに対応してきましたが、中学校と比べると、小学校はいわゆる小規模校も多く、児童支援専任教諭がその職務だけに専念できない場合もあるとのことです。
この制度は、わが党が10年以上前から要望し続け、実現に結びつけた制度でもあります。市長には、引き続き児童支援専任教諭の定数化実現に向けて、国に対して強く要望をしていただきたいと思います。

今回の事案を受けて、改めて専任制度が十分に機能し、より一層、子どもたちへの充実した支援体制が図られるよう要望します。

県費負担教職員の市費移管

さて、県費負担教職員の市費移管が行われる来年4月まで、いよいよ残すところあと3か月余りとなりました。
私は、2月の第1回市会本会議において、県と市で給与や休暇など勤務条件制度にさまざまな違いがある中で、市費移管によって制度が後退することはあってはならないと質問し、教育長から、「関係部署と十分に調整を図りながら、教職員のモチベーションが下がることがないよう、検討を進める」との答弁をいただきました。しかし、「市費移管後の臨時的任用職員の処遇が心配である」といった声があるなど、県の方が良いしくみもあれば、市の方が良いしくみもあると伺っています。

横浜の子どもたちのためにも、しっかりと制度を整えていただき、多忙感の軽減につなげていただくよう要望します。

英語教育の今後の展開

グローバル化が進展する中、本市では全国に先がけて小学校からの英語教育に取り組んできました。
先日、AETの常駐や英検について全校に先駆けて開始した美しが丘中学校2年生の英語の授業を視察しました。小学校から培われた英語でのコミュニケーション能力をさらに伸ばすことを目指した授業だと感じたわけですが、こうした授業が市内の全中学校で展開されているわけではないと思います。

教員の授業力の向上を図りながら、AETの配置や外部指標の活用など、これまでの取組をさらに充実し、今後とも、英語教育を推進することを要望します。

8.地域におけるスポーツのできる場の確保について

本市ではこれまで、18区のスポーツセンターや公園内の野球場・サッカーグラウンドなどを整備し、市民の皆様がより身近な場でスポーツができる環境づくりについて、推進してきました。
しかし、私のところに、野球・サッカー・ラグビー・バスケットボールなどの団体から、場所の確保についての要望が強く、市民ニーズに対する場の確保は、十分とは言えないと感じています。ただ、本市の財政状況などから勘案しても、新たに施設を整備していくことは難しいと感じております。

市民のさらなるスポーツ振興のために、身近な所でスポーツができる場を、多様な手法を用いて、さらに確保していただくことを要望します。

9.国際平和と持続可能な開発目標の推進について

核兵器廃絶に向けた取組と共に、民族間紛争や飢餓、深刻な都市問題など、平和を脅かすリスクが非常に複雑化していく中、2015年9月の国連サミットにおいて、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」いわゆる「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」では、国際社会全体の開発目標として、2030年を期限とする包括的な17の目標を設定し、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すため、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に、統合的に取り組むこととしています。
今後、世界中の都市で、人口増加に伴う都市課題への対応が重要となっていくことから、SDGsでは、17の目標の中に、「持続可能な都市」が新たに独立して設定されています。
本市は日本で最大の人口を有する市として、様々な都市課題に直面してきましたが、行政と市民の皆様が力を合わせ解決してきた豊富な経験を有しており、それを新興国都市等と共有する国際協力も、他都市に先駆けて実績を積み上げてきました。
そのためSDGsの目標達成に向けて、本市の国際協力に期待される役割は今後、益々高まっていくものと考えられます。