公明党横浜市会議員団

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令和2年第1回市会定例会において予算関連質疑を行ないました。(2月26日)

2月26日(水)の本会議では、尾崎太議員が公明党横浜市会議員団を代表して、市政運営の重要課題20項目に関して林市長、鯉渕教育長、平原病院経営本部長に質問いたしました。

以上の20項目について、質問いたしました。

1.風水害における自助・共助について

全国で甚大な被害をもたらした、昨年の台風15号、19号では、本市においても、約9,000人の市民が避難場所に避難したと伺いましたが、勧告が発令された地域の世帯数等を考えると、本当に逃げるべき方が、行動に移されたとは言い難い状況だと思います。

<要望>

1月27日の衆議院予算委員会では、不動産取引の際、宅建業者から購入予定者に対して、当該エリアにおける水害リスクの説明を義務化する方向が示されましたが、これに合わせて、電柱などへの浸水想定高さのマーキングも含め、避難行動につながる「ハザードマップの見える化」に、粘り強く取り組んで頂くことを要望致します。

2.昨年の台風を踏まえた高潮・高波対策について

昨年の台風15号、19号は、本市にも甚大な被害をもたらし、金沢区の福浦・幸浦地区や本牧地区の護岸などが大きく損壊しました。
その後、本市では国と連携し、設計方針の取りまとめや補正予算の確保、そして復旧工事の着手など、スピード感を持って進められています。
さらに2年度予算案では、各々の護岸復旧の完成までの費用が計上され、復旧工事が途切れることの無いよう予算措置がされています。

<要望>

護岸の復旧や海岸保全施設の整備には、多額の費用や時間、そしてマンパワーが必要です。
また、海岸保全施設の整備は3年間に渡って工事が続くと聞いていますが、その間にも台風は想定されますので、応急的な措置の実施なども含め、災害から市民を守るため、引き続き、地元の皆様と連携して取り組んで頂くことを要望致します。

3.災害時における要援護者対策について

公明党は、災害時における液体ミルクの活用について、以前よりその有用性や必要性に着目し、乳児の栄養確保の一策として、その普及を後押ししてきました。
母乳には多くの免疫成分が含まれており、普段から母乳を与えているお母さんが、災害時にも変わらず母乳を与えることが出来れば、乳児にとってもストレスが少しでも軽減できるかもしれません。
しかし、災害時などは、安全に乳児に与えることができる環境が整っているとは限りませんので、あらゆる事態に備えて、乳児とそのご家族が、少しでも安心して過ごせるようにすることが必要です。
また横浜市では、災害時に備えて、個人情報の取扱に関する協定を締結した自治会、町内会などに、災害時要援護者名簿を提供し、地域の共助の取組を支援しています。
その一方で、要援護者に対する地域の共助による取組が進まなければ、災害時に要援護者が取り残され、安全に避難できなくなる恐れがあることを危惧しています。

<要望>

液体ミルクを活用するうえでは、日頃から安心して使えるものであることや、災害時に母乳の代替として活用できることなどを理解して頂くことが重要です。
そのため、母子手帳などをはじめ、様々な工夫を頂きながら、啓発や周知にしっかりと取り組んでいただくことを要望します。
また、災害時に備え、平時より、地域の共助による要援護者支援への取組が一層進むよう、地域に寄り添った支援を要望します。

4.新市民病院の取り組みについて

三ツ沢総合グランドの入口には、今年の5月1日に開院する新しい市民病院の建物が建ち上がっています。
特に、市民病院はこれまでもがん医療に力を入れてきましたので、新市民病院での取組には期待をしています。
市民病院には、様々な領域の専門性の高い人材が配置されています。
今後、横浜市では在宅医療の増加が見込まれる状況を踏まえると、こうした貴重な人材を活用して、地域医療を充実させていくことが必要だと思います。

市民病院は地域医療の中核をなす役割を担っていますが、一方で、市内唯一の感染症指定医療機関でもあり、今般の新型コロナウィルスへの対応については、長期に渡り、患者の受け入れ対応などにご尽力頂いております。
改めまして、昼夜にわたり、様々なご対応を頂いております、全ての関係者の方々に、心から感謝申し上げます。

5.地域課題の解決について

超高齢社会のなかで、地域で解決しなくてはならない課題が増えています。
横浜市はこれまでも、ごみの分別や、防犯防災など、地域と区役所・各局が協働して課題解決をすすめてきましたが、高齢化が進み、地域のあり方も変化する中で、そうした協働の取組も難しくなりつつあるのではないかと考えます。

<要望>

行政が地域と民間事業者の架け橋となって課題解決につなげていくことを期待します。

6.外国人材の受け入れ・共生の推進について

横浜市の外国人人口は増加を続け、令和2年1月末には約10万4500人に達しました。
外国人の増加に伴い、外国人自身のためにも、また受け入れる地域社会のためにも、拠点となる国際交流ラウンジの重要性は高まっており、外国人が急増している区への国際交流ラウンジの新設や、既存のラウンジの機能強化について、これまでの市会でも、わが党から必要性を指摘してきたところです。

7.8050問題対策について

ひきこもり状態の長期化や高年齢化に伴う、いわゆる「8050(はちまるごーまる)問題」は新たな社会問題として、メディアでも多く取り上げられています。
公明党は、これまでもKHJ全国ひきこもり家族会連合会などと意見交換を行い、当事者から「まずは話を聞いてほしいだけで干渉されたくない」、「就労することは難しい」ことや、また高齢化した親からは、「自分が亡くなった後の子どもの生活が不安だ」、「親が安心して相談できる場所がない」など、SOSの声も多様化していることがわかりました。

<要望>

本市におきましても、ひきこもり対策をはじめとした多様化・複雑化する社会課題に対して、様々な機関が連携した「包括的な相談支援体制」を早期に整備し、重層的なセーフティネットの構築を進めて頂くよう強くお願いします。

8.障害児・者施策の充実について

我が党ではこれまで、障害児・者に対する施策の充実に関して、障害児・者とその家族が、学齢期から卒業後の将来にわたり、さまざまなライフステージにおいて、住み慣れた地域で安心して過ごすことができる環境づくりを求めて参りました。
そのなかでも、まずは、学齢期の支援として、重い障害や医療的なケアがある児童の放課後の居場所の充実が急務であると考えています。
先日も、鶴見区に住むご家族の方から、看護師が常時配置されている、重症心身障害児を対象とした、放課後等デイサービスの整備についてご要望を頂いたところです。
重症心身障害児を対象とした放課後等デイサービスは、市内に15か所設置されていますが、事業所が一つもない区が、いまだ7区あると聞いています。

<要望>

重い障害のある方や、ご家族が地域で安心して暮らせるよう、年代に応じた通う場の整備については、スピード感を持って進めて頂くことを要望します。

9.発達障害児・者への総合的な支援計画について

平成17年に発達障害者支援法が施行され、15年が経とうとしています。
当時、あまり知られていなかった「発達障害」という言葉も、現在では、テレビや新聞で報道が増え、書店に行けばいくつもの関連本が並ぶようになりました。
また、この10年間で、地域療育センターにおける発達障害の診断件数は約2倍になっている事実もあります。
本市は、市内に9か所の地域療育センターにおいて、障害のある子に対して、できるだけ早く障害を発見し、療育に結びつける「早期発見・早期療育」を実践してきましたが、発達障害に関する支援は、ひとつの機関だけでの対応では難しくなってきたのではないかと感じています。

<要望>

私たちには、誰ひとり取り残されないインクルーシヴな社会の実現に向けて、様々な多様性を尊重し、受け入れていく街づくりを進める責務があります。
引き続き、発達障がい児・者への総合支援計画の策定ならびに、今後の施策の充実を要望します。

10.幼児教育・保育施策について

これまでも、我が党は子育て支援策を中心に、様々な社会保障の充実に努めて参りましたが、昨年10月から国との連携により、消費税の増収分を活用し、幼児教育・保育の無償化を実現する事ができました。
これを受け、私ども公明党横浜市会議員団全員で、利用者や事業者などを訪問し、実態調査を行いましたが、利用者からの評価も高く、確実に家計の負担軽減につながったとの嬉しい声も頂いています。
一方で、これまで同様、保育の質の確保が求められており、そのためには現場で向き合う幼稚園教諭や保育士などの処遇改善が重要です。

<要望>

先般、市の利用調整により、通園施設が決まった保護者から、費用負担の格差に関する指摘も頂きました。
園選びの段階で、各区の保育・教育コンシェルジュへの相談や施設見学などを通し、納得して選択頂けるよう、これまで以上に相談しやすい環境づくりを要望します。

11.児童虐待対策について

全国で児童虐待による痛ましい事件が続いており、児童虐待の相談対応件数は、年々増加しています。
昨年6月の国の児童福祉法等の改正を受け、本市では令和2年度予算で、児童相談所の再整備、児童福祉司の増員など、体制強化を進めると聞いています。
新たな職員の増員にともない、児童虐待対応を適切に進めるための専門性の向上や、市民に身近な区役所での支援体制の構築も重要だと考えます。

<要望>

横浜の子どもたちが痛ましい被害にあうことのないよう、市長の強いリーダーシップのもと、児童虐待防止対策を進めていただくようお願いします。

12.横浜型中学校給食について

昨年12月に、中区の仲尾台中学校におけるハマ弁の実施状況を視察させて頂きました。
仲尾台中学校では、一昨年9月以降、学校とPTAが中心となり、さらに当該エリアの小学校のPTAも含めて協議を重ね、その結果、中学校時代における子どもたちの体づくりのためには食生活が重要であり、かつ、家庭での弁当づくりの負担軽減を図る必要もあったことから、「1年生は食物アレルギーなど、ご家庭のご事情を除き、全員喫食を推奨」、「2、3年生はこれまで家庭弁当に慣れ親しんだ経緯もあることからハマ弁を基本とし、家庭弁当も可能とする」という仲尾台中学校の昼食に係る基本方針を示し、昨年4月からハマ弁の利用促進に取り組んでいます。
現在は1年生のおよそ7割、2、3年生は約3~4割が利用しているとのことですが、視察の際には生徒のみなさんから、ハマ弁が美味しいとの声が上がっていました。

仲尾台中学校のように、学校としてハマ弁に対する考えを明確にすることで、生徒も保護者もハマ弁を利用しやすい環境となっていくのではないでしょうか。
一方で、利用が進まない最大の要因として、保護者からは、お弁当を持たせられないことへの罪悪感がある中で、子どもたちのために実施されているハマ弁事業が、議会やメディア等によるネガティブキャンペーンにより、「ハマ弁」を利用したことのない保護者や生徒にマイナスイメージが植えつけられ、大きな誤解を与えているとのご指摘がありました。
私の地元の鶴見区内の保護者からも、ハマ弁に対する批判により、利用することに肩身の狭い思いをしたとの切実な心情が寄せられ、まさに風評被害の大きさを実感していますが、この問題は、本来ならば「ハマ弁」の利用者に対する「人権侵害」にも値する問題だと考えます。
先日の市会本会議では、「横浜型中学校給食」の早期実現を目指していくと市長が答弁されていますが、学校給食法上の給食に位置付けるには供給体制の確保などの課題があったと聞いています。

<要望>

財源や用地・スペースなどの課題を背景に、自校調理方式をはじめ、給食センター方式や親子方式による給食の実施が困難であることが明らになった中で、他都市における実績なども含め、現実的に、最適な実施方法として導入された「ハマ弁」でありますが、改めてデリバリー方式による『横浜型中学校給食』の早期実現を要望します。

13.学校体育館への空調設備設置について

児童生徒の健康を守る教育施設としての環境、また災害時の利用者の安全安心を図る避難施設としての環境という視点から、学校体育館への空調設備の設置はその推進が強く求められてきました。

<要望>

市立学校は500校以上あり、体育館という大規模施設に空調設備を設置するにあたっては、様々な課題があると思いますが、着実に取り組んで頂くよう要望致します。

14.芸術創造の推進における次世代育成について

先日、39回の歴史を誇る「横浜市小学校マーチングバンド発表会」が横浜文化体育館で開催され、16校すべての演奏・演技を観させて頂きました。
この発表会は大会に出場する学校だけでなく、1年間の活動を集約するための発表の場として参加する学校もあり、子供たちの大きな目標となってきた発表会です。
この参加者OBから、現在も数多くの音楽文化に携わる担い手が誕生していることからも、当発表会が果たしてきた、教育的役割は大きいと感じています。
しかしながら、この発表会は、教育委員会の働き方改革の一環として、今回を持って中止となることが決まり、多くの関係者からは子供たちの発表の場の喪失や、1869年に日本で初めて吹奏楽団が結成され、吹奏楽発祥の地となっている横浜の音楽文化創造の歴史を止めてしまうとの懸念の声が寄せられています。
本市では、新しい部署として「芸術創造本部室」を立ち上げ、劇場計画の検討を含めて、芸術創造の取組をより一層推進するとのことですが、私はこの中に、これまで述べてきた、学校教育での芸術文化活動などを、次世代育成の視点で位置づけることが、とても大切なのではないかと考えています。

<要望>

芸術文化を通じた子どもたちの育成はとても重要です。
将来の横浜の芸術文化を担う「人づくり」のため、財源や手法なども含めた具体的な取組に期待します。

15.創造的イルミネーション事業について

今年度初めて開催された創造的イルミネーション事業では、横浜の都心臨海部が美しくライトアップされ、横浜の夜の街に賑わいが生まれたと聞いています。
このような、街全体を使った光の演出は、すでにシンガポールや上海といった世界屈指のグローバル都市では、夜の一大観光コンテンツとして定着している取組で、私は非常に重要なものだと思っています。

<要望>

特に、横浜港のシンボルである横浜ベイブリッジは、客船が横浜港に入港する際に一番に目に入る象徴的な施設であり、積極的に活用していくべきと考えます。
本市が率先して施設のカラーライトアップに取り組みながら、各施設の所有者をはじめ、関係者の方々と、財源確保を含めた持続可能な手法の検討を頂くよう要望致します。

16.都市計画道路の整備について

3月22日に、いよいよ、横浜北西線の開通を迎えるなど、高速道路ネットワークの整備が着実に進んでいます。
市内経済を支え、災害時には緊急輸送路として機能する高速道路ネットワークの充実は、横浜のさらなる成長や発展に必要不可欠であり、着実に事業が進んでいることを評価します。
一方で、市内の一般道は、渋滞も散見され、その結果、住宅地内へ車が入り込むなど、生活道路や通学路の安全性を低下させることにも繋がっていると思います。

<要望>

道路整備は、用地交渉から整備まで、長い時間を要します。
厳しい財政状況も理解しておりますが、引き続き、様々な創意工夫と努力を重ね、整備促進に取り組んで頂くよう要望します。

17.みなとの回遊性とにぎわい創出について

みなとまち横浜の顔としてすっかり定着した、みなとみらい21地区では、昨年10月にホテルや商業施設が一体となった日本初の複合客船ターミナル「横浜ハンマーヘッド」がオープンし、今年の4月にはパシフィコ横浜ノースや、ぴあアリーナのオープンも予定されています。
令和2年度予算案では、客船を間近に臨み横浜港を一望できるハンマーヘッドデッキ、みなとみらい新港地区と中央地区を結ぶ「女神橋」、横浜駅方面とパシフィコ横浜ノースをつなぐ「キングモール橋」を今年の夏までに供用するとしています。

<要望>

みなとの回遊性が向上し、赤レンガ倉庫が新たに魅力あふれる観光施設に生まれ変わることで、みなとの賑わいを更に加速させていくことを要望します。

18.可動式ホーム柵の整備について

鉄道駅のホームドアは、転落・接触事故やそれに伴う列車遅延を大きく減少させる効果があり、 我が党の重要政策として進めてきました。
平成30年3月の市会では、視覚障害者利用施設の最寄り駅である、京急仲木戸駅や日ノ出町駅については、具体的な整備見通しが示されていない状況でしたが、市長からは整備促進への力強い答弁を頂いておりました。
先日、公表された予算概要では、ようやく京急仲木戸駅、日ノ出町駅に、ホームドアが設置されることが示されました。

<要望>

今やホームドアの整備は、視覚障害者だけでなく、妊産婦や子ども連れの人も含め、全ての人が安心して鉄道を利用できるようにするために、社会全体で取り組むべき課題となっています。
国、県、鉄道事業者と連携を図り、粘り強く整備促進に努めて頂くよう期待します。

19.食品ロス削減について

食品ロス削減は、持続可能な社会を構築していく上で大変重要であり、SDGsにおいても2030年までに食品ロスを半減することが目標となるなど、世界的な課題となっています。
我が党は、食品ロスの削減を重点課題ととらえ、2015年に党内にプロジェクトチームを設置以来、食品ロス削減を力強く推進して参りましたが、昨年5月には議員立法により「食品ロスの削減の推進に関する法律」が制定され、10月1日から施行されたところです。
この法律は、国民運動として食品ロス削減を推進することを目指しており、横浜市にとっても、取り組みの後押しにつながるものと思っています。

<要望>

食品ロス削減は、一朝一夕で成果がでるものではありません。
粘り強く取り組むことが必要であり、今後も積極的な取組を期待します。

20.地球温暖化対策について

昨年末、マドリッドで開催されたCOP25には、「未来がないのに、学校に行っても意味がない」と気候変動への警鐘を鳴らすグローバルストライキ運動への先駆けとなった、環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんが、アメリカからヨットで駆けつけるなど注目を集めました。
一方、ドイツの環境シンクタンク、ジャーマンウォッチが、2018年に気候変動の影響を最も受けた国は日本であったと発表し、日本のマスコミでも取り上げられましたが、この年には西日本豪雨や、災害と指摘されるほどの猛暑などを経験し、さらに昨年の台風15号、19号による甚大な被害からも、気候変動リスクを身近に感じる事態に直面しています。
世界では気候変動を原因としたオーストラリアでの大規模火災や、干ばつ、さらに海氷の消滅など、まさに気候危機、Climate Crisisの状態です。
このように、異常気象が各地で相次ぎ、目に見える脅威としての危機感が募ってきた今こそ、これ以上手遅れにならないように、危機感の共有だけでなく、建設的な行動を市民社会の中で起こしていくことが重要だと考えます。

<要望>

先のCOP25において、グレタさんは、「歴史上の偉大な変革は、すべて民衆から始まりました。待つ必要はありません。今この瞬間から変革を起こせるのです」と、これからの10年間の意義を強調されたとのことですが、市民一人一人が温暖化対策の当事者であるとの自覚をうながし、持続可能な取組と効果が、横浜から発信されることを大いに期待致しまして、公明党横浜市会議員団を代表しての、私の質問を終わります。